情報セキュリティマネジメント試験はどんな資格?難易度や合格率、取得するメリット

情報セキュリティマネジメント試験は情報処理技術者試験の1つです。

試験を実施しているIPAは情報セキュリティマネジメント試験を以下のように説明しています。

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。

引用:https://www.jitec.ipa.go.jp/sg/about.html

ITを活用する上で情報管理はとても重要です。パソコン上で行う情報管理は便利な反面、不正アクセスや情報漏洩などのリスクが存在し、もし情報が流出してしまえば社会的な信用を失うことにつながりかねません。

そのため情報セキュリティをいかに確保するかは大きな課題になります。

シカくん
スキルレベルはレベル2に設定されてるよ。Iパスより1つ上、基本情報と同じレベル試験だね。

情報セキュリティマネジメント試験の試験概要

試験方式 CBT方式
出題方式
  • 午前試験:四肢択一式
  • 午後試験:多肢選択式
試験日 上期(5〜6月ごろ)・下期(10月〜翌年1月ごろ)
受験資格 なし
試験時間
  • 午前試験:90分
  • 午後試験:90分
出題数
  • 午前試験:50問
  • 午後試験:3問
合格基準
  • 午前試験:60点以上/100点
  • 午後試験:60点以上/100点
合格率 50%前後
受験料 5,700円
実施者 IPA情報処理機構
公式ページ https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html

情報セキュリティマネジメント試験の試験日時

情報セキュリティマネジメント試験が行われるのは上期(7月ごろ)と下期(12月ごろ)の年2回。 1ヶ月程度の試験期間の中で希望の試験日時を選んで受験します。

申し込みはインターネットから。試験会場や受験日、試験時間を選択すれば申し込みは完了。受験料は5700円です。

午前試験と午後試験それぞれ試験会場・日時を選択する必要があるので忘れないようにしてください。

なお「午前試験」「午後試験」はただの試験の名前なので「午前試験」を午後に「午後試験」を午前に受けても問題ありません。また先に午後試験から受験も可能です。

情報セキュリティマネジメント試験はCBT方式の試験

情報セキュリティマネジメント試験はCBT方式で試験を行います。CBT方式とは紙ではなくパソコン画面上でキーボードとマウスを操作して回答する受験方式のこと。

選択肢の中から正解をクリックして回答していくだけなので特に難しいことはありません。

CBT方式は試験後に自動で採点されその日にメールで送られてくるスコアレポートで午前試験・午後試験の点数がわかります。合否がすぐわかるのは嬉しいですよね。

ちなみに正式な合否発表は1ヶ月後程度先です。

情報セキュリティマネジメント試験の合格基準

合格するには午前試験・午後試験ともに60点以上/100点が必要です。片方だけ60点以上でも合格とはなりません。

情報セキュリティマネジメント試験の難易度と合格率

情報セキュリティマネジメント試験の合格率は毎回50%ほどです。偏差値は47〜48程度としているサイトが多く、2人に1人が合格することを考えるとは難易度が高い資格とは言えないでしょう。

実際に僕も受験していますが、ITパスポートと基本情報技術者試験の中間くらいの難易度かなという印象です。

ただ午後試験は結構難しい…というか解くのが大変。というのも問題文がかなり長いんです。そのためパソコン画面に問題文と問の選択肢が1画面に納まりません。画面のスクロール量が増え問題を理解するのに時間がかかります。

問自体はそこまで難しくないけど、時間が足りなくて解けないなんてことがあり得る試験です。

どれだけ早く問題文を理解できるかが合格の鍵となるでしょう。

実際に受験した感想は以下の記事で書いています。

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情報セキュリティマネジメント試験を取得するメリット

社会人なら身につけておきたい情報セキュリティの知識が身につく

情報セキュリティの知識はどの業界にいても今や必須のスキルです。外部からの攻撃を受けて機密情報が抜き取られたり、あるいは内部不正が行われたり、ITを活用した現場ではあらゆる脅威が潜んでいます。しかし具体的にどんな手口の攻撃があってどんな対策が有効なのか、というのは案外理解できていないものです。

こういった知識を体系的に学べるのは情報セキュリティマネジメント試験の大きな魅力です。特に午後試験では実践的な問題が問われるので情報セキュリティに関する理解がグッと深まりますよ。

会社によっては奨励金や毎月手当がもらえる

勤めている企業によっては情報セキュリティマネジメント試験の資格取得で奨励金が出ます。まだ歴史が浅い資格なので、奨励金を出す企業はあまり多くない印象ですが、これから増える可能性は十分あります。

ちなみに僕が勤めている会社では情報セキュリティマネジメント試験を取ると一時手当として2万円もらえます。

上位資格を狙うときに知識が役立つ

情報セキュリティマネジメント試験で身につけた知識は応用情報技術者試験など情報処理の上位資格を取る際にも役立ちます。

情報セキュリティマネジメント試験は就職や転職で役に立つのか

就職や転職のために基本情報技術者試験を取得しようとしている人も多いですよね。実際に情報セキュリティマネジメント試験は企業に評価されるのでしょうか。

学生や20代のIT業界への就職なら評価されるかも

情報セキュリティマネジメント試験はランクとしてはITパスポートの1つ上の位置付けです。ITパスポートは新卒採用のエントリーシートに活用されるケースがあるくらいなので、そういった企業であれば情報セキュリティマネジメント試験も同様に評価してくれる可能性はあります。

情報セキュリティの知識のある人材を求める企業は多く、基準として情報セキュリティマネジメント試験相当としている求人情報もあります。

社会人の転職にはあまり役立たない

情報セキュリティマネジメント試験で証明できるのはあくまでIT利用者としての基礎的なITセキュリティの知識。高度な知識ではありません。

そのため評価されないわけではありませんが、転職であれば実務経験や年齢などが重要になってくるでしょう。

資格でアピールするなら最低でも基本情報技術者試験、できればさらに上位資格の応用情報技術者試験などを取得しておきたいところです。

情報セキュリティマネジメント試験に合格するための勉強法

情報セキュリティマネジメント試験の合格に必要な勉強時間

全くの初心者であれば40時間〜80時間は必要と言われています。期間としては1日1時間の勉強で2ヶ月ほど、1日2時間なら1ヶ月ほどです。

IT知識がある程度ある人であれば20時間〜30時間の勉強で足りると思います。僕はIT業界で働いていますが、30時間程度の勉強で合格できました。1ヶ月前から準備して平日にだいたい2時間ずつ勉強しました。

独学でも合格は可能

情報セキュリティマネジメント試験は独学で十分合格できる試験です。特にITパスポートや基本情報技術者試験など情報処理の資格を持っている人なら既に勉強した部分も多く出題されるのですんなりと合格できる可能性も高いでしょう。

もちろんIT初心者の人でも独学合格は狙えます。計算問題もほとんどないし、常識的な問題も多いです。IT初心者でも取り組みやすい試験だと思います。過去問を解きつつ、わからない部分は参考書で補うように勉強すれば合格は難しくありません。

通信講座を使う

独学に不安がある人は通信講座を利用するのも良いでしょう。独学は自分で参考書を探したりまず何を勉強したら良いのか迷ったり、勉強以外の部分に時間が取られることも多いです。正直、向き不向きがあります。通信講座であれば学習ツールが全て揃っているので何を勉強すればいいのかわかりやすく無駄がありません。

まとめ

  • ITを利活用する人向けの試験
  • スキルレベルはレベル2
  • 開催時期は春季と秋季の年2回
  • 合格基準は午前試験・午後試験ともに60点以上
  • 合格率はだいたい50%
  • CBT方式で試験後すぐに点数がわかる

情報セキュリティマネジメント試験は2016年の春期から始まった比較的新しい国家試験です。一番はじめの合格率は衝撃の88%でした。それがじょじょに下がっていき、今は50%〜40%程度に落ちてきています。今後、難化していく可能性もありますので、気になっている方は早めに受験しておくと良いかもしれません。

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