基本情報技術者試験は情報処理技術者試験の1つです。
ITエンジニアの登竜門的な位置付けで、毎回5〜6万が受験する人気の国家資格。受験者の多くはITエンジニアを目指す人やITエンジニアになってから1年〜3年の人です。
ITパスポートがITを利活用する人向けだったのに対し、基本情報技術者試験は技術者向けとなり、アルゴリズムやプログラムなどより専門的な知識が求められます。
取得すれば技術者としての基礎的な知識を有している証明となり学生や20代の就職や転職なら評価されることも少なくありません。
ITエンジニアになる/なったなら是非取っておきたい資格と言えるでしょう。
基本情報技術者試験(FE)の試験概要
試験方式 | CBT方式 |
出題方式 |
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試験日 | 上期(5〜6月ごろ)・下期(10月〜翌年1月ごろ) |
受験資格 | なし |
試験時間 |
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出題数 |
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合格基準 |
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合格率 | 25%前後 |
受験料 | 5,700円 |
実施者 | IPA情報処理機構 |
公式ページ | https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html |
基本情報技術者試験(FE)の試験日時
基本情報技術者試験が行われるのは上期(5〜6月ごろ)と下期(10月〜翌年1月ごろ)の年2回。期間内に随時受験できます。
申し込みはインターネットから行います。試験会場や受験日、試験時間を選択すれば申し込みは完了。受験料は5700円です。
午前試験と午後試験それぞれ試験会場・日時を選択する必要があるので忘れないようにしてください。
なお「午前試験」「午後試験」はただの試験の名前なので「午前試験」を午後に「午後試験」を午前に受けても問題ありません。また先に午後試験から受験も可能です。
基本情報技術者試験(FE)はCBT方式の試験
基本情報技術者試験ははCBT方式で試験を行います。CBT方式とは紙ではなくパソコン画面上でキーボードとマウスを操作して回答する受験方式のこと。
選択肢の中から正解をクリックして回答していくだけなので特に難しいことはありません。
CBT方式は自動で採点されます。試験後メールで送られてくるスコアレポートで午前試験は点数が、午後試験は点数はではなく、正答率がわかります。
午後試験の正式な点数発表は1ヶ月後程度先になりますが、余程ギリギリでない限り、正答率からなんとなく合否がわかります。
基本情報技術者試験(FE)の合格基準
合格するには午前試験・午後試験ともに60点以上/100点が必要です。片方だけ60点以上でも合格とはなりません。
基本情報技術者試験(FE)の難易度と合格率
基本情報技術者試験の合格率は毎回25%ほどです。ネットで調べてみると偏差値は49相当としているサイトが多かったです。偏差値は50が基準なのでどちらかという難易度はそこまで高くない資格と言えるでしょう。
実際に僕も受験していますがめちゃめちゃ難しいという試験ではないと感じました。
ただ午前試験と午後試験で難易度は大きく変わります。暗記問題が中心の午前試験はIT知識がない人でも用語を覚えれば60点以上は十分狙えます。
ところが午後試験については暗記力だけでなく仕組みを理解する力や論理的思考が求められるアルゴリズムやプログラムの問題が出題されるため苦戦する人も多いです。
アルゴリズムとプログラムの問題は午後試験の配点の半分を占めます。この2つをいかに攻略するかが合格の鍵となってきます。
実際に受験した感想は以下の記事で書いています。
令和3年1月〜3月の基本情報技術者試験を受験してきました。結果は... 午前試験は75点、午後試験は74点。合格点の60点を無事クリアできました。 この記事では実際にCBT方式の基本情報技術者試験を受けた感想や合格するためにした[…]
基本情報技術者試験(FE)を取得するメリット
ITエンジニアに必要な幅広いIT知識を身につけられる
基本情報技術者試験では幅広い基礎的なIT知識が問われます。例えばシーケンス図などの図の種類やWBSやガントチャートなどのプロジェクトの進捗管理に利用される手法や表の種類などが出題されます。
これらの知識はプログラマーを目指して独学でコーディングの勉強しても身につけるのは難しいでしょう。しかしIT企業に就職すれば必要となる知識です。なかなか学ぶ機会のないITの汎用的な知識を身につけられるのは基本情報技術者試験の大きなメリットです。
会社によっては奨励金や毎月手当がもらえる
基本情報技術者試験の資格取得で奨励金を出す企業は多いです。企業によって額はバラバラですが、毎月5000円程度の手当が出る企業もあり、そんなところで働ければ年間手当だけで6万円です。取らない理由がありません。
ちなみに僕が勤めている会社では基本情報技術者試験を取ったとき一時手当として3万円もらえました。
上位資格を狙うときに知識が役立つ
基本情報技術者試験で身につけた知識は応用情報技術者試験やネットワークスペシャリストなど情報処理の上位資格を取る際にも役立ちます。
キャリアアップに情報処理の資格を取るならその登竜門として基本情報技術者試験を受験してみるのがオススメです。
基本情報技術者試験(FE)は就職や転職で役に立つのか
就職や転職のために基本情報技術者試験を取得しようとしている人も多いですよね。実際に基本情報技術者試験は企業に評価されるのでしょうか。
学生や20代のIT業界への就職なら評価される可能性は高い
基本情報技術者試験で求められる論理的思考はIT業界では必須に能力です。合格すればプログラマやエンジニアの適性があると判断する企業も多いでしょう。そのため新卒採用や未経験でも転職しやすい20代であれば資格が有利に働く可能性は十分あり得ます。
社会人の転職にはあまり役立たない
基本情報技術者試験で証明できるのはあくまで技術者としての基礎的なIT知識。高度な知識ではありません。
そのため評価されないわけではありませんが、転職であれば実務経験や年齢などが重要になってくるでしょう。
資格でアピールするなら基本情報技術者試験だけでなく応用情報技術者試験などの上位資格を取得することをおすすめします。
基本情報技術者試験(FE)に合格するための勉強法
基本情報技術者試験の合格に必要な勉強時間
全くの初心者であれば150時間〜200時間は必要と言われています。期間としては1日1時間の勉強で半年ほど、1日2時間なら3ヶ月ほどです。
IT知識がある程度ある人であれば50時間〜100時間の勉強で足りると思います。僕はIT業界で働いていますが、70時間程度の勉強で合格できました。1ヶ月前から準備して平日2時間、土日3時間くらい勉強してました。
独学するなら繰り返しの過去問
基本情報技術者試験は独学でも合格可能な資格です。
独学で大切なのは午前試験も午後試験も繰り返し過去問演習をすることです。特に午前試験は過去問からの流用が多く過去5年分を解けるようにすれば、合格基準の6割を取ることはそこまで難しくありません。
午後問題は過去問からの流用は基本的はないですが似た問題や傾向がわかるのでやはり過去問が重要になってきます。特にアルゴリズムとプログラムは初見だと全然理解できないことも多いのでどんな形式で出題されるか知っておくことは非常に重要です。
過去問は公式サイトから無料ダウンロードができるほか、過去問サイトやアプリがたくさん公開されています。
通信講座を使う
独学に不安がある人は通信講座を利用するのも良いでしょう。独学は自分で参考書を探したりまず何を勉強したら良いのか迷ったり、勉強以外の部分に時間が取られることも多いです。正直、向き不向きがあります。通信講座であれば学習ツールが全て揃っているので何を勉強すればいいのかわかりやすく無駄がありません。
まとめ
- IT技術者向けの試験
- スキルレベルはレベル2
- 開催時期は春季と秋季の年2回
- 合格基準は午前試験・午後試験ともに60点以上
- 合格率はだいたい20%
- CBT方式で試験後すぐに点数がわかる