FP技能検定はファイナンシャルプランナーに必要とされる技能の習得レベルを評価する国家試験で、3級から1級まで等級が存在します。
基本的にはファイナンシャルプランナーを目指す人や銀行員などの金融系で働く方が多く受験する試験でが、近年はマネーリテラシーを高めたい一般の受験者も増え、比較的、気軽に取得が目指せるFP3級2級は毎回6万人7万人が受験するような超人気資格になっています。
FPで勉強する保険や投資、年金、税金、不動産、相続などの「お金のこと」は全ての人に関わる話題です。FP3級は職業に関わらず勉強すれば必ず生活で役立つ、とっておいて損はない資格と言えるでしょう。
FP3級の試験概要
試験方式 | マークシート方式(○×選択式、3肢択一式) |
試験日 | 年3回(1月,5月,9月) |
受験資格 | なし |
試験時間 |
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出題数 |
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出題範囲(学科) |
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出題範囲(実技) |
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合格基準 |
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合格率 | 70%前後 |
受験料 |
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実施者 | 日本FP協会/きんざい |
公式ページ |
FP3級(2級)は「きんざい」と「日本FP協会」2つの申込先がある
FP技能検定には他の資格試験ではみられない大きな特徴があります。
それは2,3級までは「きんざい(金財)」と「日本FP協会」の2つの試験実施機関があるということ。
どちらで受験して合格しても同じFP技能検定の資格が付与されますが、試験会場や実技試験の科目が異なりますので自分に合った方を受けるようにしてください。
FP3級の合格基準【完全合格と一部合格】
合格基準は6割以上得点することです。具体的には午前の学科試験が36/60点。午後の実技試験が60/100点です。
3級FP技能士を取得するには学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。
両方合格すると完全合格。どちらか一方のみ合格すると一部合格という扱いになります。
一部合格の場合は翌々年度末までに行われる試験までであれば、合格した学科試験もしくは実技試験が、申請により免除されます。
FP3級の難易度と合格率
FP3級は偏差値40相当としているサイトが多く難易度は低めです。合格率も高く毎回以下の通り6割7割の人が合格しています
日本FP協会 | きんざい(金財) | |
学科試験の合格率 | 70%〜85% | 40%〜60% |
実技試験の合格率 | 75%〜85% | 40%〜60% |
日本FP協会の方が合格率が高いですが、これは決して日本FP協会が簡単で、きんざい(金財)が難しいということを意味しているわけではありません。
きんざい(金財)の合格率が低いのは日本FP協会と比べて企業などの団体受験が多いからと言われています。会社都合で強制的に受験する場合モチベーションが低い人も一定数いるわけですから不合格者も当然多いというわけです。でなければ共通試験のはずの学科試験でこんな大きな合格率の開きは生まれませんよね。
受験者の10人に7人は合格しているのでFP3級は難易度のかなり優しい資格試験と言えます。
ただ個人的には実技試験がそこそこ難しいと思っています。というのも実技試験は問題数が20問と少なく、1問あたりの配点が5点と高く設定されています。そのため、わからない問題が数問出た時に別問題でリカバリが効きづらいのです。実際僕は1度実技試験に落ちていますし、合格したときも65/100点と結構ギリギリで合格しています。
令和3年度5月23日の3級FP技能検定を受験してきました。結果は下記のツイートの通り。 Fp3級の合格証届いた~5年前に受けた時、実技で落ちたから嬉しい😃 pic.twitter.com/LKovNyD5vu — しか@資格勉強中🔥[…]
FP3級を取得するメリット
相続や資産運用などプライベートでも役立つ知識が身につく
FPで勉強する保険、資産運用、不動産、相続などの科目はどれも私たちの生活にとても身近な話題です。
NISAって何?iDeCoって何?って人は結構多いと思います。第1号被保険者、第2号被保険者って書類で見るけど自分はどれかぶっちゃけよくわかんない。って人もいると思います。
こういうの全部わかるようになります。
普段の生活でよく聞くけどあんまりわかっていないことがFPを勉強すれば体系的に理解できるようになります。
FP2級あるいは宅建などの別資格を狙うときに知識が役立つ
FP2級を受験するには実務経験があるなどしない限りFP3級を取得している必要があります。FP2級、FP1級とステップアップしようと思っている方は当然上位資格を目指すときにはFP3級の知識が役立ちます。
また幅広い知識が問われるFP試験は身につけた知識が別の資格を狙うときにも役立ちます。
例えばFPで出題される不動産や相続の問題は「宅地建物取引士」の試験でも出題されますよ。
他資格を目指すためにまずFP3級を目指すというのはアリな選択だと思います。
FP3級は就職や転職で役に立つのか
就職や転職のためにFP3級を取得しようとしている人も多いですよね。実際FP3級は企業に評価されるのでしょうか。
金融系・不動産系なら評価される可能性あり
銀行や保険会社、不動産会社などは就職後にFPの資格取得をすすめられることも多いため、履歴書にFP3級を書いていくと評価される可能性があります。FP3級といえど取得するにはある程度の勉強時間は必要なので、金融関係のことに興味関心があり、自発的に勉強しているアピールにはなります。採用候補者が横並びの場合、FP3級が採用の決め手になる可能性はあるかもしれません。
ただし難易度の低い資格ですので、評価されたとしてもせいぜい新卒採用時や20代前半の転職活動まででしょう。
就職・転職でアピールするならFP2級以上もしくはFP3級+〇〇
3級でも評価される可能性はありますが、3級で学習することはFPの基礎中の基礎。実務にも活きてくるレベルの知識を身につけるのであればFP2級以上は欲しいところです。
あるいは別の資格とFP3級を掛け合わせるようにしましょう
- FP3級×宅建士
- FP3級×日商簿記2級
など少し難易度の高い資格も持っていれば知識の幅が広さが伝わリます。
ダブルライセンスをアピールできれば評価される可能性が高まるかもしれません。
FP3級に合格するための勉強法
独学するなら繰り返しの過去問演習が大切
FP3級は合格率も高いため独学でも十分合格が狙えます。
独学で大切なのがインプットよりもアウトプットに時間をかけること。比率的にはインプット:3 アウトプット:7くらいです。
参考書を一通り読んで知識をインプットしたら、あとはひたすら過去問を解いて知識をアウトプットしましょう。
勉強時間としては初学者でも50時間〜70時間程度で合格に至ると思います。期間としては1日1時間勉強で2ヶ月。1日2時間勉強できるなら1ヶ月です。
ただ独学するときの注意点として古い参考書は使わない。古すぎる過去問は解かないようにしてください。
法改正で今とは違う情報が異なっている可能性があるためです。
参考書を買うなら最新版、過去問を解くなら多くて過去3年分くらいにとどめておきましょう。
通信講座を使う
独学に不安がある人は通信講座を利用するのも良いでしょう。独学は自分で参考書を探したりまず何を勉強したら良いのか迷ったり、勉強以外の部分に時間が取られることも多いです。正直、向き不向きがあります。反対に通信講座は学習ツールが全て揃っているので何を勉強すればわかりやすく無駄がありません。独学で気をつけなければいけない法改正についても通信講座なら安心です。
FP3級なら受講料金も高くなく、例えばSTUDYINGならFP3級の一括コースが4,950円です。独学するにしても参考書や問題集を買うのであれば4000円程度はかかるのでそこまで差はありません。仮に独学で不合格になればそれ以上のお金がかかるので、受かるか心配なのであれば通信講座を調べてみてください。FP3級、FP2級のセットコースもあり一気にFP2級までとってしまおうとしている人は通信講座を視野に入れても良いかもしれません。
FP3級を取ろうと思うけど、独学で大丈夫かな。通信講座を使ったほうが安心かなと悩む人もいるかと思います。 結論からお伝えするとFP3級であれば独学で十分に合格が狙えます。 初学者でも100時間程度の勉強時間で、参考書を読んで過去[…]
まとめ
- 基本的には金融系/不動産系の人向けの試験
- 近年マネーリテラシーをつけたい一般の受験者が急増している
- 年3回(1月,5月,9月)
- 合格基準は6割以上
- 合格率はだいたい70%