FP2級はどんな資格?難易度や合格率、取得するメリット

FP技能検定はファイナンシャルプランナーに必要とされる技能の習得レベルを評価する国家試験で、3級から1級まで等級が存在します。合格すれば「FP技能士」と名乗ることができ、更新の必要はありません。

基本的にはファイナンシャルプランナーを目指す人や銀行員などの金融系で働く方が多く受験する試験ですが、近年はマネーリテラシーを高めたい一般の受験者も増え、比較的、気軽に取得が目指せるFP3級FP2級は毎回6万人7万人が受験するような超人気資格になっています。

しか
FP2級に合格すると副業や転職でも活かせるためFP3級をとった多く人がFP2級を目指しています。

FP2級の試験概要

試験方式
  • 学科試験:マークシート方式(4肢択一式)
  • 実技試験:記述式
試験日 年3回(1月,5月,9月)
受験資格(いずれかに該当すればOK)
  • FP3級合格者
  • AFP認定研修の修了者
  • FP業務の実務経験が2年以上の者
  • 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
試験時間
  • 学科試験:120分(10時〜12時)
  • 実技試験:90分(13時30分〜15時00分)
出題数
  • 学科試験:60問
  • 実技試験:40問
出題範囲(学科)
  • ライフプランニングと資金計画:10問
  • リスク管理:10問
  • 金融資産運用:10問
  • タックスプランニング:10問
  • 不動産:10問
  • 相続・事業承継:10問
出題範囲(実技)
  • 個人資産相談業務/中小事業主資産相談業務/生保顧客資産相談業務/損保顧客資産相談業務(きんざい)
  • 資産設計提案業務(日本FP協会)
合格基準
  • 学科試験:36点以上/60点
  • 実技試験:60点以上/100点
合格率 40%前後
受験料
  • 学科試験:4,200円
  • 実技試験:4,500円
実施者 日本FP協会/きんざい
公式ページ

FP2級(3級)は「きんざい」と「日本FP協会」2つの申込先がある

FP技能検定には他の資格試験ではみられない大きな特徴があります。

それは2,3級までは「きんざい(金財)」と「日本FP協会」の2つの試験実施機関があるということ。

どちらで受験して合格しても同じFP技能検定の資格が付与されますが、試験会場や実技試験の科目が異なりますので自分に合った方を受けるようにしてください。

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僕は3級も2級も日本FP協会で受験しました。個人であれば日本FP協会を受験する人が多いイメージです。

FP2級の合格基準【完全合格と一部合格】

合格基準は6割以上得点することです。具体的には午前の学科試験が36/60点。午後の実技試験が60/100点です。

2級FP技能士を取得するには学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。

両方合格すると完全合格。どちらか一方のみ合格すると一部合格という扱いになります。

一部合格の場合は翌々年度末までに行われる試験までであれば、合格した学科試験もしくは実技試験が、申請により免除されます。

FP2級の難易度と合格率

FP2級は偏差値48相当としているサイトが多く難易度が高い資格ではありません。合格率も難関資格と比べると高く、毎回以下の通り4割5割の人が合格しています

日本FP協会 きんざい(金財)
学科試験の合格率 40%〜55% 20%〜35%
実技試験の合格率 50%〜70% 30%〜50%

日本FP協会の方が合格率が高いですが、これは決して日本FP協会が簡単で、きんざい(金財)が難しいということを意味しているわけではありません。

きんざい(金財)の合格率が低いのは日本FP協会と比べて企業などの団体受験が多いからと言われています。会社都合で強制的に受験する場合モチベーションが低い人も一定数いるわけですから不合格者も当然多いというわけです。でなければ共通試験のはずの学科試験でこんな大きな合格率の開きは生まれませんよね。

FP3級合格者や実務経験者が受験している割には合格率は低め

4割5割の人が合格していると聞くとFP2級は難易度が低い資格なんだと感じるかもしれません。しかし受けている人は全員FP2級の受験資格を満たしている人。つまりFP3級合格者やFP業務の業務経験がある人たちです。全くの素人が受験しているわけではありません。ある程度知識がある人でも2分の1以上は不合格になってしまう。そう考えると決して簡単ではない資格であるとわかると思います。

FP3級と比べると難易度はかなり上がる

FP2級の難しさはFP3級とは比べものにならないと思っています。

まず学科試験はFP3級では3択もしくは◯×の2択でしたが、FP2級では4択になります。単純に勘の当たる確率が下がるのに加え、選択肢が似通っていたり、長文になっていたりと中途半端な知識量では解けない問題が多くなります。

実技試験はFP3級ではマークシート式で20問だったのが、FP2級では記述式になり問題数も40問に増えます。ア、イ、ウで答える選択肢の問題が多いですが、数問は選択肢のない記述式の計算問題です。公式を覚えておけなれば解くことができません。

学科試験も実技試験もFP3級と試験範囲は変わりませんが、必要な知識の深さが大きく異なります。確実に合格するにはFP3級の時には覚必要なかっった細かな知識を身につける必要があります。

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FP2級を取得するメリット

FP2級まで取れると「お金の知識」がプライベートで役立つほか、FP3級にはない本業や副業などにも活かせるといったメリットが出てきます。

資格手当/合格報奨金がもらえる

会社によってはFP2級合格者に対して毎月5,000円〜20,000円程度の資格手当を出してくたり、合格時の一回のみ報奨金として数万円出してくれたりします。

毎月手当がもらえる場合は早く取れば取るほど、給料が増えるわけなので取らない理由が見つかりませんね、ご自身の会社に資格手当や報奨金の制度がないか一度確認して見てください。

WEBライターとしてお金を稼ぐことができる

副業としても始めやすいと人気のWEBライター。ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングのサイトでは年金や保険、資産運用などのWEBライティングの案件が多いです。応募資格を見てみると「FP2級合格者」としている案件も多く、資格を持っていることでWEBライターデビューできる可能性があります。

FP1級あるいは宅建などの別資格を狙うときに知識が役立つ

FP1級の複数ある受験資格の1つに「実務経験1年以上+F P2級合格者」があります。FP1級を目指している方は当然FP2級の知識が役立ちます。

また幅広い知識が問われるFP試験は身につけた知識が別の資格を狙うときにも役立ちます。

例えばFPで出題される不動産や相続の問題は「宅地建物取引士」の試験でも出題されますよ。

他資格を目指すための足がかりとしてFP2級を目指すというのはアリな選択だと思います。

FP2級は就職や転職で役に立つのか

就職や転職のためにFP3級を取得しようとしている人も多いですよね。実際FP2級は企業に評価されるのでしょうか。

金融系・不動産系なら評価される可能性あり

銀行や保険会社、不動産会社などは就職後にFPの資格取得をすすめられることも多いため、履歴書にFP2級を書いておくと評価される可能性があります。FP2級は会社によっては手当がつくような資格なので、FP2級に合格できるレベルのお金や不動産の知識をのある人材を欲しがっている会社は少なくないと言えるでしょう。

就職・転職でアピールするなFP2級+〇〇

2級でも評価される可能性はありますが、別の資格とFP2級を掛け合わせればより就職や転職時の強みとなります。

  • FP2級×宅建士
  • FP2級×日商簿記2級

など少し難易度の高い資格も持っていればダブルライセンスで知識の広さをアピールすことができます。

FP2級に合格するための勉強法

独学するなら繰り返しの過去問演習が大切

FP2級は3級と比較すると難易度が上がりますが、それでも独学でも十分合格が狙えます。

独学で大切なのがインプットよりもアウトプットに時間をかけること。比率的にはインプット:3 アウトプット:7くらいです。

参考書を一通り読んで知識をインプットしたら、あとはひたすら過去問を解いて知識をアウトプットしましょう。

ただ独学するときの注意点として古い参考書は使わない。古すぎる過去問は解かないようにしてください。

法改正で今とは違う情報が異なっている可能性があるためです。

参考書を買うなら最新版、過去問を解くなら多くて過去3年分くらいにとどめておきましょう。

すでにFP3級に合格していてブランクもない人であれば50時間〜70時間程度の勉強時間で合格に至ると思います。

期間としては1日1時間勉強で2ヶ月。1日2時間勉強できるなら1ヶ月です。FP3級を持っていない人ならその倍以上の150時間は必要になると思います。


通信講座を使う

独学に不安がある人は通信講座を利用するのも良いでしょう。独学は自分で参考書を探したりまず何を勉強したら良いのか迷ったり、勉強以外の部分に時間が取られることも多いです。正直、向き不向きがあります。反対に通信講座は学習ツールが全て揃っているので何を勉強すればわかりやすく無駄がありません。独学で気をつけなければいけない法改正についても通信講座なら安心です。

まとめ

  • 基本的には金融系/不動産系の人向けの試験
  • 近年マネーリテラシーをつけたい一般の受験者が急増している
  • 年3回(1月,5月,9月)
  • 合格基準は6割以上
  • 合格率はだいたい40%
  • 合格すれば手当がもらえるかも
  • 合格すれば副業に活かせるかも
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