ITパスポートはどんな資格?難易度や合格率、取得するメリット

ITパスポートは情報処理技術者試験の1つです。

試験を実施しているIPAはITパスポートを以下のように説明しています。

iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。

https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/about.html

今やどの業界・業種で仕事をするにもIT知識は必須となりました。しかしITが苦手…知識をつけたいけど何からしたら良いかわからない…とIT知識に自信がない人も多いのではないでしょうか。そんな人たちにおすすめな資格です。ITパスポートは基礎的なIT知識があることを証明する最も適した資格と言えるでしょう。

ITパスポートの試験概要

試験方式 CBT方式(四肢択一式)
試験日 通年
受験資格 なし
試験時間 120分
出題数 100問
出題範囲
  • ストラテジ系(経営全般):35問程度
  • マネジメント系(IT管理):20問程度
  • テクノロジ系(IT技術):45問程度
合格基準
  • 総合評価点が600点以上/1,000点
  • 分野別評価点もそれぞれ300点以上/1,000点以上
合格率 50%前後
受験料 5,700円
実施者 IPA情報処理機構
公式ページ https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html

ITパスポートの試験日時

ITパスポートは一年を通して受験できます。加えて複数の時間に分けて試験が実施されるため国家資格の中でもトップクラスの受験のしやすさです。

申し込みはインターネットから行います。試験会場や受験日、試験時間を選択すれば申し込みは完了。受験料は5700円です。随時申込を受け付けているので空いてれば今週末受験するなんてこともできます。

ITパスポートはCBT方式の試験

ITパスポートはCBT方式で試験を行います。CBT方式とは紙ではなくパソコン画面上でキーボードとマウスを操作して回答する受験方式のこと。

選択肢4つの中から正解をクリックして回答していくだけなので特に難しいことはありません。詳しく知りたい方は公式ページを確認してみてください。

https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/guidance/cbtmethod.html

CBT方式では自動で採点されるので試験後すぐに得点が発表されます。つまり試験が終わったら合否がすぐにわかるということ。なお正式な合否は試験ヶ月後あたりで発表されます。

ITパスポートの合格基準

合格するには総合評価点が600点以上/1,000点かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上/1,000点以上必要です。

3分野で構成されていて100問の内訳は

  • ストラテジ系(経営全般):35問程度
  • マネジメント系(IT管理):20問程度
  • テクノロジ系(IT技術):45問程度

です。総合評価点で600点とれても一分野でも極端に不得意で300点を切ってしまうと合格できません。なのでまんべんなく学習することが合格の鍵となります。

ちなみに全ての問題が評価されるわけではなく、評価されるのは総合評価92問、分野別評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問です。残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われます。

ITパスポートの難易度と合格率

ITパスポートは情報処理技術試験の中でも初心者向けの試験です。ネットの世界では偏差値45相当と言われています。合格率は例年50%ほど。受験者の2人に1人は合格しているので難易度が高い試験とは言えないでしょう。ですが決して簡単な試験でもありません。

実際に受験した僕の感想としては「思ってたより難しい」でした。上位資格である「基本情報技術者試験」に先に持っていたのに総合評価点645点でギリギリ合格でした。

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初心者の方であれば100時間、IT知識がある人でも10〜30時間程度は勉強しないと安心して合格点を取ることは難しいと言えます。

ITパスポートを取得するメリット

幅広い基礎的なIT知識を持っている証明になる

ITパスポート試験では学生や社会人が身につけておくべき基礎的なIT知識が問われます。受かれば当然基礎的なIT知識がある証明となります。

大学によっては単位認定や入試優遇される

ITパスポートを活用している大学は多く、活用校では入試優遇や単位認定が受けられます。

会社によっては奨励金や毎月手当がもらえる

奨励金制度がある企業ではITパスポートの資格取得で奨励金がもらえることが多いです。僕が勤めている会社でも奨励金制度がありITパスポートを取ったとき一時手当として1万円もらえました。毎月手当が出る企業もあり、単純ですがお金がもらえるのはモチベーションに繋がりますよね。

上位資格を狙うときに知識が役立つ

ITパスポートで身につけた知識は情報セキュリティマネジメント試験や基本情報技術者試験、応用情報技術者試験など情報処理の上位資格を取る際にも役立ちます。

基本情報技術者試験はプログラマやエンジニアを目指す上での登竜門的な資格ですので、ステップアップとして先にITパスポートを取得する人も多いようです。

ITパスポートは就職や転職で役に立つのか

就職や転職のためにITパスポートを取得しようとしている人も多いですよね。実際ITパスポートは企業に評価されるのでしょうか。

学生の就職なら評価してくれる

学生であればITパスポートが就職で武器になるえます。どの業界でもIT知識は必要となっていますし、新卒採用のエントリーシートにITパスポートを活用している企業も増えてきているからです。求人情報を見ても奨励資格としてITパスポートをあげている企業は少なくありません。そういった企業なら評価してくれる可能性は十分にあるでしょう。

社会人の転職にはあまり役立たない

しかし社会人ではITパスポートを取っても転職で有利になる可能性は低いです。前述の通りITパスポートは難易度としては低めです。強くアピールできる資格ではありません。IT知識があることの証明になりますが、転職の武器にするなら在職中の実績や応用情報技術者試験などの上位資格でアピールした方が良いです。

ITパスポートに合格するための勉強法

独学するなら繰り返しの過去問

ITパスポートは独学でも合格可能な資格です。

独学で大切なのは繰り返し過去問演習。ITパスポートは過去問からの流用されることは少ないですが、似たような問題は出るからです。解けなかった問題は解説と参考書で覚えるようにすれば合格基準である6割は取ることができるでしょう。

過去問は公式サイトから無料ダウンロードができるほか、過去問サイトやアプリがたくさん公開されています。そこそこのIT知識がある人であれば過去問を攻略するだけでも合格できると思います。

通信講座を使う

独学に不安がある人は通信講座を利用するのも良いでしょう。独学は自分で参考書を探したりまず何を勉強したら良いのか迷ったり、勉強以外の部分に時間が取られることも多いです。正直、向き不向きがあります。反対に通信講座は学習ツールが全て揃っているので何を勉強すればわかりやすく無駄がありません。

ITパスポートなら受講料金も高くなく、例えばSTUDYINGならITパスポートのコースが7920円です。独学するにしても参考書や問題集を買うのであれば4000円程度はかかるのでそこまで差はありません。仮に独学で不合格になればそれ以上のお金がかかるので、受かるか心配なのであれば通信講座を調べてみてください。

まとめ

  • ITを利活用する人向けの試験
  • スキルレベルはレベル1
  • 開催時期は1年中
  • 合格基準は600点以上(足切りあり)
  • 合格率はだいたい50%
  • CBT方式で試験後すぐに点数がわかる
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